満点を狙うな!狙わせるな!
満点を狙うな!狙わせるな!
やや誤解を受けそうなタイトルですが、あえて今回は、このようなテーマで書かせていただきます。40年近く塾の先生をしておりますが、成績の悪い人ほど満点を欲しがるようです。勉強の嫌いな人ほど満点を狙いその挙句、一つでもわからないところがあれば、心が折れるようです。
初めから満点とれる人はいないのですから、全てがわかるはずがありません。わからないところを乗り越えるから面白い。わからないまま進むうちにわかるようになるからやる気になる。わからないけど、調べていくうちに気が付く。わからないまま悩んでいるとき、チョットしたヒントをもらうと目が覚めたようにすっきりわかる。
わかる喜びは、わからないからこそ味わえる喜びです。これは、勉強だけに限られたことではありません。このことは、わからないことできないことを乗り越えるすべてに通じます。
勉強を始めとして、わからない、できないことはたくさんあります。わからない、少しやってみてできない、わからないからと言って立ち止まっていては何も進みません。わからない状態を素直に認めて、そこから始めるようにしましょう。わからない、は成長の第一歩です。
それと、保護者の皆さんにお願いがあります。満点を要求したり、間違いを過剰に叱ったりしないようにしてやってください。大事なのは、わからないことが、わかるようになり、解けなかった問題が解けるようになることです。他のお子さんや兄弟と比較するのではなく、少しでもできるようになったら、それを認めて褒めてやってください。大人と同じで、認めて褒めてくれる人の期待に応えたいのが人の常ですから。
私も、血気盛んな保護者の皆さんの世代を越えて、生徒さんのおじいちゃんの年齢に近づき、ようやく褒めることの意味が解ってきたようです。一緒に認めて褒める練習をしていきませんか。
いつも叱り叱られての親子関係が続いている親子さんへの伝言でした。