実力を付ける方法
■入試に向けて実力を伸ばす方法
大阪は私立高校の入試が2月10日前後に行われ、公立高校の入試が3月10日前後に行われます。
私立高校は専願と併願のいずれかで受験し、専願は合格すれば必ず入学しなければなりません。ただし入学手続きをせずに公立高校を受験し、合格してそちらに入学することは可能です。しかしそんな事をする意味がわからないので普通はしません。
併願の場合、私立高校に合格した場合いったんキープしておき、公立高校の受験で不合格だった場合に入学することができます。公立高校を希望する生徒の99%がこの流れで受験します。稀に私立を受験せず公立を受ける子がいます(学校に1,2名くらい)。
昔の私立高校の入試は、割と合格する可能性が高かったです。しかし近年はそうでもありません。不合格にする高校が増えてきました。特に大阪の併願者が非常に多い有名な附属高校は普通に落とします。これは専願も併願も関係なく…。そうなると数日後の1.5次や1.7次入試を受けることになり、その場合かなりレベルを落とさないといけなくなります。そのため昔に比べると皆一生懸命赤本を解いている姿を見ます。赤本に出た問題はさすがに出ないですが傾向をつかむことは非常に重要ですね。
問題は公立高校です。公立高校の受験は調査書と当日の試験結果で決まります。
公立高校の合格者の決め方は、例えば400人募集とすると、調査書と当日の試験の合計点数を並べて募集人数の上位90%を無条件に合格とします(この場合360位まで合格)。次に361位~400位までの40人と401位~440位までの40人は、受験する際に提出する自己申告書をみて、その高校がほしいと思える生徒(アドミッションポリシー)に合う生徒を合格とする。それが30人いたとすると、残りの10名はまた総合点数順に並べて上位から10名を合格にする。アドミッションポリシーは例えばその高校がサッカーに力を入れているとしたら、ある中学校でサッカー部のキャプテンをやっていた子が選出されたりもします。それは例えばその子がはじめの総合点で順位が440位だとしても合格となります。実際に合格最低点に2点満たない生徒が合格になったケースを知っています。その子はバドミントン部の副キャプテンでしたが、それが合格に繋がったかは高校によって違う選出基準なのでわかりませんが…。
まあこんな未知なわからない選出基準に入るのは危険なので、上位90%に入れば良いのです。
問題はもう1つあります。それは学校の先生の度胸です。担任の先生が自動的に進路指導の先生になるのが一般的ですが、その先生がどれくらい安全を求める先生か、どれくらい攻める先生かによって進めてくる高校が変わります。私は進路指導においては非常に攻めるタイプです。学校が超安全策な先生だと2ランクくらい差ができる場合が多々あります。やはり比較的学校の先生を信頼するご家庭が多いので、私が提案する受験校については除外されるケースが多いです(笑)。
ただし大部分の中学校の担任はいろいろな事情があって安全策を言います。例えば、自分が担任として進路指導した生徒を複数人受験で失敗させたりすると来年度担任から外されてしまい担任手当がもらえなくなるという非常にリアルな問題(給与が減る)に関わってきます。学校の先生は人に物を教える仕事をしているので「教えたがり」なので、教務(担当教科を指導する仕事)はもちろん大好きですが、中学校の先生はそれと同じくらい進路指導には興味があると思うので、その仕事から外されてしまうことは教師としての仕事の半分を取られた感があるかもしれません。
以上のような理由で安全策を取るのです。
しかしここで間違ってはいけないのは、受験校を決定するのは学校の先生でもなく塾の先生でもなく、本人とそのご家族の方々です。進路懇談などは受験校を決定する上での参考という捉え方で結構です。私は必ず進路懇談で伝えることが2点あり、
①私の進路指導は非常に強気であることを踏まえて参考にしてほしい
②あくまで最終の決断はご家庭で決めてほしい
ということです。
ご家庭の経済状況やご兄弟姉妹の現状なども踏まえてどうしても私立に行かせるわけにはいかないという場合と、私立も覚悟でという場合とでは受験校が変わる可能性がありますが、進路指導は大体最終で1月頭ですが受験は3月なのでそこから2か月もあるので実力面を劇的に向上させることも可能です。
こういったいろいろな事があるので公立高校の決定は難しいです。
昔、私が大阪のある地域の教室で教室長をしていた時の話ですが、その地域ではK高校がNO.1でその下にI高校という高校があります。ある中3生の進路指導の際に、2学期終了時に内申点(今の調査書)が約250点/265点満点、直近の五ツ木の模試の偏差値が52でした。当時、K高校もI高校も内申点265点満点+当日の試験400点の合算なので、当日のウエイトの方が高かったです。この子の場合、内申点がおそらくK高校のボーダーは超えているが、五ツ木の偏差値が10以上足りないので、学校は普通にI高校を勧めてきていました。私はこの子が3年生の少し遅い時期まで部活をやっていたことから勉強のスタートが遅かったのと、成績の伸びがもう少し後に来そうな感じだったので、あと2か月死にもの狂いで頑張って意地でも実力を上げてK合格してみろと言ってK高校を勧めました。
ご家庭ではI高校を受験しようと考えていたようで、その進路懇談では生徒・保護者ともに驚いていました。
しかし生徒には心の奥底にK高校に行きたいという気持ちがあったようです。
最終は、もし当日の試験でK高校でも合格できたというくらいの出来だったら絶対に後悔するから、それだったらK高校を受けるということを本人が言いました。
それからの頑張りはすごかったです。当然見事合格しました。
その子は高校でも頑張って、のちに大阪の国公立大学に進学して、今は看護師になっています。
よく進路懇談で「そんなに背伸びして高校に入ったら、入ってから苦労しそう」という意見を耳にします。現に上記で書いた生徒は高校に入った初めの中間テストのクラス順位が40人中37位でした。しかしこの生徒はその後しっかり頑張って高2になる前にはクラス順位が1ケタ(正確な順位は忘れてしまいましたが6位くらいだったような気がします)になっていました。定期テストの勉強法の時に言いましたが、高校の勉強は中学の勉強とは比べ物にならないくらい難しくなります。高校に入ってまた頑張った者はちゃんと成績が上がりますし、サボった者はドンドン下がっていきます。現実として最難関の公立高校に進学した子は全員、一流と呼ばれる大学に進学するかというと、そうではありません。東大・京大に進学する者もいれば、関関同立や産近甲龍の者もいます。高校では中学の基礎知識を元にまた頑張って勉強しないといけません。その基礎知識というレベルでいうと、同じ高校を受験して合格できるだけの学力があるので十分に同じレベルと言えます。
むしろ背伸びして入るくらいが良いと思います。勉強は周りの環境も非常に影響されます。1つでも上の高校の方が周りの人間の勉強に対する意識が高く、自分もそれに影響されてちょうど良いのです。
また進学校の場合、周りにとんでもなく賢い子がいます。医学部や法学部に進んで医者や弁護士になる子もいます。そういう子と高校の時に繋がりを持っておくことで将来自分に何かあったときに助けてもらうこともできますw
大阪でNO.1の公立高校である北〇高校に行ったことがあるでしょうか?行ったことがないのでしたら一度は行ってみてほしいです。大阪の有名公立高校のほとんどが創立から非常に年月を経ているので校舎自体は非常に古いです。先に挙げたK高校とI高校も創立100年以上経過しているはずなのでどちらも非常に古いです。しかし北〇高校は外観が非常に綺麗です。綺麗というよりおしゃれという方が良いかもしれません。北〇高校の卒業生の中に有名な建築士がおり、その方が母校を設計して建て直しています。またその費用はお金をたくさん稼ぐ職業に就職している者も多いので、その人たちから寄付されています。
北〇高校の話は余談ですが、このようにいろいろな影響が高校でも卒業後も自分に関わるので、無理をしてでも1つでも上の高校に入る方が良いのです。高校はどこに行っても楽しいものです。高校受験の中学3年生は、人生初かはわかりませんが、死ぬ気の努力で頑張ってみてはどうかと思います。
ここでやっと本題に入りますが、実力テストや模試、入試などに向けた勉強法の話をしましょう。
私立高校の受験のために、学校の実力テストは割と重要です。特に中学3年生の2学期の実力テスト(2学期しか見られません)は重要なので、ここからは点数を取らないといけません。私立高校は2学期の実力テストで受験できる高校が決まります。
公立高校も約半分は実力面で合否が決まるので重要と言えます。特に中上位高校は当日の記述試験の方がウエイトは高いので、巻き返しを図れたり、逆にひっくり返されたりする可能性があります。偏見かもしれませんが、内申点は男の子が不利だと思っているので、特に男の子の実力面の強化は重要です。
ではいつから勉強を開始するか?3年生の4月から受験勉強をスタートする子は少ないですが、このころからは少しずつでも進めるべきです。まだ部活との両立の時期なので、1学期は中間・期末テスト前はそれに集中して、それ以外は英語と数学だけしましょう。英語は超重要単語を全て書けたり読んだり意味が言えたりできるようになっていれば大丈夫です。数学は今まで習った計算問題は全て復習して計算は完璧にしておきましょう。
夏休みは1日最低12時間、1週間の平均で10時間以上は勉強時間を取りましょう。例えば1週間で月曜日から土曜日まで12時間ずつ勉強して日曜日は軽め(or休みw)にするなどすれば十分だと思います。前にも言いましたが、私は勉強というのは時間ではないと思っていますが、夏休みはこれくらい必要です(このあとすぐに理由を言います)。もちろんこれだけやれば普通は飛躍的に成績が向上しますが、もっと重要な事は、2学期以降に学校が始まってからは夕方までは学校に行き夕方からの自主勉強となりますが、夏休みほど時間は取れません。せいぜい6時間くらいが限度でしょう。夏休みに12時間勉強したことを思えばこの6時間なんて大した時間ではなくなります。そういった意味で夏に12時間することで勉強の体力が付きます。これが一番重要です。なんだかんだ言って受験が近づくにつれ勉強の濃度も高まります。1月2月は入試直前なのでほぼ95%の生徒が意識を高く持って勉強できます。受験に近づくほど成績は上がりやすいのは事実で、それでいうと夏休みはまだ少し遠いので上がりにくいのは間違いないです。夏に比べると2学期は自習時間が少なくなりますが、成績は上がりやすくなります。2学期に『勉強をする体力』が付いていた方が良いので、夏にたくさんの勉強時間を取る意味があります。
とはいえ夏も十分成績は上がります。夏のスケジュールとしては例えば1週間に1日は遊んでも良いのではないでしょうか。その代り、月曜日から土曜日までの6日間は勉強だけをやる。それをしっかり集中してやりましょう。そうすれば普通は飛躍的に成績が伸びるはずです。
夏休みからは5教科全て取り組みましょう。理科・社会は夏休みに毎日2時間ずつ取ってやれば夏休みだけで全部できるはずです。
理科は4分野(物理・化学・生物・地学)に分かれますが、生物はほぼ全て覚える分野なので1から全部覚えましょう。教科書の内容を全て復習し、あとは1問1答の問題集などを使って覚えたことの復習をします。それを繰り返しやるだけです。
物理・化学分野は理解が必要なので塾に通う子は夏期講習などで理科を取り、授業で先生に教えてもらいながら理解を深める。化学では元素記号など、覚えないといけない所もあるのでそれは自習で覚えておく。物理はほぼ理解が必要なのでわからないことは先生に聞いたり習ったりして繰り返しその関係する問題に取り組む。
理科は総合して割と同じ内容の問題が頻繁に出題されます。突拍子もない問題というのはあまり見かけないので複数の問題集をやることで模試などではそれに少し似た問題が出題されます。ということで一番成績が上がりやすいと言えます。
社会はとにかく全て完璧に覚えれば極めて100点に近い点数となります。『社会の点数は努力の数値』と生徒には普段伝えます。実際私は社会が一番嫌いでした(国語は苦手でした)。記憶するのが嫌いというわけではなく、単純に興味がなかったです。興味がない分、無理やり勉強しているので頭に残りにくく他の教科より時間をかけないといけなかったので、おそらくトータルの勉強時間に対する社会の勉強時間は50%以上あったと思います。基本的に社会を勉強していた印象です。よく「私は記憶力がないので覚えなれない」という子がいますが大きな間違いです。例えば自分の興味のあることならたくさん知識があると思います。マンガが好きな子はたくさんの登場人物の名前を記憶しているはずですし、ゲームが好きな子は色々なゲームの名前や敵の名前や必殺技の名前など覚えています。乃木坂のメンバーの名前をたくさん知っている子もいると思います。本当に記憶に乏しい子は絶対に覚えられません。
社会、特に歴史は今、マンガになっている物があるようです。それなら教科書を使って勉強するより楽しみながら勉強できるので記憶も早いのではないでしょうか?実際に良いといううわさも聞きます。教科書で勉強するのは辛いという子は是非お母さんに頼んで買ってもらうのも良いのではないでしょうか?勉強の為ならダメという親はほとんどいません。
では国語についてはどうでしょう?
正直、国語だけは本当に良い勉強法はわかりません。本をよく読む子は国語の成績が良いというわけではなく、本を読まない子は成績が悪いというわけではありません。センスというわけでもなさそうです。
またずっと国語は勉強しても成績は上がらないと思っていましたがそうでもないようです。勉強をすれば成績が上がるというのも塾に通う生徒を見ていて思いました。
もしかすると、あと10年後には新たな私の考えが生まれるかもしれませんが現状では次のように考えています。
国語は経験とコツのような気がします。経験は問題を解答する回数ではなく、解説をよく読んで答え合わせをする回数と言えるかもしれません。その回数が増えるとなんとなくこの辺に答えがあるというのがわかってくると思います。また選択問題でも回数を重ねるごとに正解にたどり着く方法がわかってくるものです。経験からコツを掴む感じでしょうか。ある意味、テレビゲームやスマホゲームでも、やっているとだんだんとうまくなっていくと思います。この感覚が高校受験の国語に言えると思います。
漢字や文法は理科に近いかもしれません。模試や入試で出されやすい漢字や文法は決まっていて、複数の問題集をこなせば割と同じような問題が出題されます。無数にある感じですが高校入試で問われる漢字は割と定番のようなものが多いと思います。
入試・模試で一番厄介なのが英語・数学です。これは私自身、究極の積み重ねの教科だと思っています。これまでどのように勉強をしてきたかも非常に重要です。どこかで挫折して諦めた子はこの2教科はまともな点数を取るのに非常に苦労します(最終的に無理の可能性も大いにあります)。
例えば数学でお話ししましょう。数学は苦手という子が結構多く、得意な子はとことんまでできます。かなり点数差が付く教科です(1問の配点が大きいという点でも)。小学校5年生あたりで分数・小数を習います。この辺りからつまずく子が出てきて知識が中途半端になり、計算が遅くなっていきます。中学ではその計算に文字が絡みだし、さらに文章問題が複雑になります。中1の方程式の文章問題辺りで知識がストップし、次の比例反比例以降は何も残らないという状態になると思います。
高校入試の問題は大問1が基本的な計算問題で、大問2~4は文章問題という形式がほとんどです。上記のような子は大問2~4は全く手を付けられないので大問1の約30点満点に対してどれだけ間違えなくて済むかというのが数学の点数となります。10点~30点くらいでしょうか。逆に数学がある程度できるだけで相当な差を付けることができます。仮に60点取ったとすると約40点差が付きます。同じような偏差値の学校を受験する子同士でこの40点差は相当大きいです。他の教科でそんなに点数差が出るものはないです。大学入試も高校入試も数学がどちらの意味でも非常に影響すると思っています(持論ですが)。ボクシングでは『左が世界を制す』といいますが、『数学が受験を制す』と言えると思っています。
では数学を頑張って成績を上げようとなってもそんなに簡単にはいきません。例えば地域のトップ高の受験を目指している子と、下から何番目かの高校を目指している子では勉強の仕方は変わります。また上記で説明した差はどちらともはっきりと出ます。
上位校を志望の生徒の場合、数学は大問2~4のどこまでできるかが重要です。例えば大問2が2次関数、大問3が図形の証明、大問4が空間図形だとします。それぞれの大問の最終問題は非常に難しいです。各大問にそれぞれ小問として(1)~(5)まであるとして(5)まで完答できる力がある子とない子では結構な差が付きます。特に証明問題は配点が高くなるので完璧に解けると約8点取れます。それだけで書けなかった子とそのまま差ができるのです。ということで上位校志望の生徒は、
①大問に対して完答できる力を付ける
②証明問題(合同・相似)を完璧に解けるように練習する。
以上のことが重要になります。
前述しているはずですが数学は覚える教科です。解き方を覚えて似たような問題に対応できるようにします。数学が得意な子や我々数学の先生は今までたくさんの問題を解いて、その解き方を覚えています。少し違う問題が出ても、それをもとに考えて解答しています。例えば計算が非常に速い子がいます。それは計算が非常に好きで小学校の時から他の子よりたくさん計算を解いているのでコツを掴んでいるのです。このコツが覚えているという事を意味します。計算も「この時はこうなる」という感じで覚えている部分が多いです。
次に中下位校を志望の生徒についてお話します。
一番大事なのは大問1です。大問1は簡単な正負の計算、方程式・連立方程式、2次方程式、展開・因数分解、√の計算など中学3年間で習った基本的な計算問題が出題されます。大阪では大問1を全問正解で約30点あります(90点満点)。特に下位の高校は数学の平均点が10点台になります(受験者の平均点)。計算だけパーフェクトにすればだいぶ有利です。
あとの大問2~4については(2)くらいまで解ければもっと有利になります。それだけで50点近くになり、偏差値60近くの高校を受験する生徒の平均点くらいになります。
これでわかると思うのですが、必要以上の勉強をせずに計算と基本的な問題だけをこなしておれば良いのです。相当証明が得意な生徒以外、証明問題は捨てましょう。
テストの際はまずは初めから順番に解答していきます。計算はなるべく慎重にやりましょう。大問2からはわかるところまで解答し、これは解けないと判断した場所は飛ばしましょう(ただし適当な数字で解答できるところはヤマ勘でも良いのでそれらしい数字を書くようにします)。証明問題は模試などで出る問題は確実に少しややこしいので絶対に飛ばします。このペースでいくと割と時間が余ると思うので、初めの計算に戻ってもう一度やり直します。この時自分は間違っていると思ってもう一度やるようにして下さい。再度やり直した時に初めの解答と違う答えになった問題はもう一度やってみて下さい。
最後まとめますが、数学は国語の次に勉強に時間をかけるべきではない教科です。計算方法を忘れないように定期的に何か問題を解いておくことは必要ですが、英語・社会・理科のような勉強時間は必要ありません。解答できるものには限界があるので問題を捨てる練習もしておく必要があります。そしてあまり深くまで勉強しない方が良いです。
つぎに英語の話をします。英語は究極の積み重ねの教科です。どこかでサボれば最終的にどこかでツケがまわってきます。
ここで私自身の話をします。私は中学に入るときには筆記体まで書けていました。小6の時に英語に興味を持っており、特に何か習っていたわけではなかったのですが、きっかけは音楽がすごく好きだったので歌詞の中に出てくる英語の意味を知るために調べていたことだと思います。
中学になり、初めての中間テストの英語は誰もが簡単なテストで、100点が頻発します。最初のテストで100点もしくはそれに近い点数でないとその先非常に不安です。その初めての中間テストの英語の点数が30点でした。しかし私には間違いが見当たらず先生に持って行って確認すると、私の解答はブロック体と筆記体が混じっているので全部×にされていました(特に『a』は全て筆記体で書いていた)。
それからというもの、私はその先生が非常に嫌いになり、全くその先生の授業は聞かなくなりました。もっというとあれだけ好きだった英語が嫌いになりました。一応塾には行っていたので英語の勉強はしていましたが、学校の授業は全く聞かなかったのです。さらには授業中に先生をボイコットしはじめ、授業も崩壊させていました。
しかし小学生の時から英語は自分で勉強していたのと、プラスして塾で勉強していたので中1の後半でも英語の成績は非常に良かったです。大体中間と期末ともに97点くらいだったと思います。忘れもしませんが、私の中間期末の英語の合計の平均点が97点に対して、クラスのよくできた女の子が98点で、私より1点高かったのですが、通知表は5段階評価でその子が5に対して私は2でした。勉強しても通知表の評価は2でしたので勉強しなくなり、中2の後半はかなり英語の成績が下がりました。英語の成績は下がっても通知表はずっと2でしたので、私は中1~中2の終わりまでで英語の評価が2より高かったことがありませんでした。
中3になるときに英語の先生が転勤になりました。私も私の親も非常に喜んだのを覚えています。中3になったときの英語の先生に呼び出されて「今は授業態度も悪くないが、今までは悪かったのか」と聞かれたことがありました。その時は先生の悪口を言って返事をした記憶がありますが、今となっては私が悪いと自覚しています。しかしあの先生ではなかったら引き続き英語は比較的好きな教科で、高校でもある程度勉強したのかもしれません。中学校の英語は知識の詰め込みで何とか点数を取れるようになるので本質を理解していなくても模試や入試では点が取れますが、高校の英語は本質を理解しないとある一定の所で限界が見えます。大学入試は単語力だけで全てをカバーした部分があるのでその限界を非常に感じていました。センター試験では8割が限界で、私立の入試や国公立2次では問題によって大きく変動していました。
英語は「究極の積み重ねの教科」と言いましたが、学年が上がるごとに顕著になっていきます。中学生で100点満点のテストで80点以上取れなければ、高校では絶対につまずきます。50点以下の子はまあまず大学入試レベルには到達できないと思います。
それだけ英語は重要でかつ、サボった穴を埋めるためには非常に時間を要するため成績を向上させることが非常に難しい教科です。
例えば、単語力一つとってみてもそうです。
中学生でかなり英語力が低い子は努力が足りないのです。ここで読み手に質問しますが1月~12月・日曜日~土曜日・数字の1~100までの単語を全て完璧に書けますか?半分くらい書けますか?95%書けますか?
仮に95%書けるとしたら、119個の内で約6個書けないわけです。95%書けることは数字的に見ると非常に良くできているのですが、これは基本単語です。100%でなければいけないものを95%にしていると、その5%が問題として出題されたらどうします?またこの119個の単語を必死で覚えても模試などには0か1個しか出ないと思います。苦労して覚えても出なかったということもザラです。
また英作文を考えてみましょう。
英作文は日本語を英語に直すという問題で出題されますが、おそらく1問につき10個くらいの単語を使って英文に直します。平均して10とするとその10個の単語を全て知っていないとその問題は絶対に解けません。仮に1つ単語がわからないけど他は全て書いたとしてもその問題は×です。部分点なんてくれませんのでその部分は0点です。
というように英語は基本となる単語(先ほど挙げた月・曜日・数字のほか、季節・方角・国・体の部位・色・親族・家の中にあるもの・食べ物・教科・スポーツ・乗り物・建物・動植物・天体・地理などの中学生が絶対に書けないといけない単語)は完璧にしないといけません。そこに文法がついてきて長文が読めるようになります。単語が書けないならそれをトコトンやる。毎回定期テストのたびにしっかり覚えてきた子とは大分差はありますが、以上の事は完璧にしておかないと話にならないのです。
ということで英語がどれだけ時間を要するかわかって頂けたでしょうか。「今日は英語を頑張って勉強して、スポーツの種類を大体覚えた!」と生徒が言ってきたとしましょう。今の教育は褒めて伸ばすが基本なので「そうか!よく頑張ったなあ」というと思いますが、だからどうしたというのが本音です。そんな基本単語知っていて当然なので今更自慢げに言われても恥ずかしいだけですし、「大体覚えた」というのもどうかと思います。「完璧」ということを意識してほしいのです。
ということで、英語は絶対にサボらず毎日コツコツ基本的な単語を数十個覚えるだけで良いので、毎日しましょう。
とはいえ、中3の夏の終わりの時点で英語が致命的な子はどうすれば良いのか?
まあ言えば手遅れです。入試で爆発的な点数は見込めません。絶対に間に合わないので。しかし諦めるわけにはいきませんのでやれることをやるしかありません。
まずは基本単語。毎日数十個覚えましょう。今が9月とすると12月までひたすら単語を覚えましょう。1月になったら長文読解をします。入試はほとんど長文なので長文が読めないと厳しいです。また長文には記号で答える問題も複数出ます。記号問題は文法でも出ますが、並び替えの問題が多いので順番が正確に合っていないといけません。長文の場合はア~オで選べというような問題が多いので、それが合うだけで○になります。
将来的に高校に行った時のことを考えると文法と単語で長文は捨てた方がいいです。しかし要領よく点数を取るためには単語と長文の方が良いと思います。
それで当日できるかどうかです。単語力を付けて長文読解を練習してどうにかするしかないので、まあその方向で進めましょう。
こうならないことがベストなので、あなたが中1や中2ならこれを読んで英語の重要性を感じてこれからの勉強を考えてやってほしいです。
上から順番に読んでいると、数学と英語についてすごく熱く書かせて頂いていると思います。それは数学と英語があまりにも重要すぎる教科だからです。
塾に通っている子の大半が英語と数学を受講していると思います。集団授業なら5教科全て受講できると思いますが、個別指導となると5教科全て受講すると月謝が約6万以上になります。塾にかける費用として一般的には約3万が相場と言われています。個別指導で3万は2教科が限界だと思います。ということで優先順位の高い数学と英語が選択されているのです。
ここでまったく別の目線での成績向上のための必須事項をお話ししたいと思います。
前述もしているのですが受験勉強において絶対に良くないことが3点あります。それは、
①携帯電話
②ゲーム
③恋愛
です。
携帯電話は前述していますが最強の集中力妨害です。現代ではメールをLINEというアプリを使ってやっている子がほとんどですが、このLINEが最悪です。メールを相手に送信して、それが相手に読まれると「既読」となり、相手が自分の送ったメールを読んだかどうかわかります。わかる分、送信者はその返信がなかなか返ってこないとストレスを感じたり、不信感を抱いたりして人間関係に傷がいくという訳のわからない現象が生じるようです。
またLINEのメールのやり取りは非常にスムーズで、短文でたくさんのやり取りをするようになっています。とめどなく続くメールのやり取りで会話をすることになります。またグループに属していると、他の人が返事をするたびに自分の携帯も反応してしまう。
上記のような状況で集中して勉強できる子はいるのでしょうか?
私は絶対に無理です。
またゲームは没頭してしまうもので、はまったらやりたくて仕方なくなります。そうなってはさすがに勉強どころではなくなります。またゲームをプレイしている時間のみならず他の時間も、攻略法を調べたりして常にゲームの事を考えるようになります。これもまた無駄な時間であり、得られるものが何もありません。
これは割と高額になるので、保護者の方が与えなければ管理できる範囲なので上手くコントロールしてほしいです。ゲームは完全にプライベートの世界なので、塾講師としては監視が非常に難しい部分でもあります。小・中学生なら高校生になってバイトをして自分で買いましょう。
しかし避けられないのが携帯のゲームアプリでしょう。これはどうしましょう…。
まあ自分で間違いなくはまって没頭してしまうと予想できるものには手を出さないようにしましょう。
さらに恋愛についてです。
中学生は好きな人がいたり、付き合ったりしだし、恋愛に敏感になります。別に人を好きになることは自由であり、お互いに好きで付き合うことになるのなら良いことだと思います。ただ、得られるものがあるのかどうか一度考えてほしいです。
例えば付き合いだすと上記のLINEを使って連絡を取り合うのでしょうが、それが一時の息抜きになるのなら良いと思います。頻繁にやり取りしたり、それを強要する相手なら自分が今本当にしなければいけない事から外れることになります。
また今はそのLINEを使って無料で通話もできます。それも頻繁に行われるようであるならそれは害でしょう。
恋愛については自由です。しかし、私の経験では彼氏彼女がいる受験生は本来頑張れば行けたであろうレベルの高校や大学より下回るケースが大部分だと思います。彼氏彼女がいないパターンといるパターンの両方を試してみることはできませんが、その生徒に対する進路指導としての目論見からはズレるケースがほとんどです。
これは私の持論ですが、恋愛は不必要だと思っています。百歩譲ってお互いが高め合える同士ならば良いのかもしれませんが、「いったんお互いに受験勉強に向けてがんばろう。だから連絡は決まった時間に少しだけにしよう」というような感じでできるのなら良いのかもしれませんが、そんなのほんの一部だと思うので不要だと思っています。
中3なら高校、高3なら大学にいけばまた良い出会いがあるので、無駄な恋愛ならしない方が良いと思います。特に中学生は周りが付き合っているから私もというようなノリのケースも少なくないので…。これも得られるものがあるのかどうかをしっかり見極めましょう。
私は今まで数年間、塾関係で仕事をしており、何人もの受験生を見てきました。私が見てきた中で成績が上がる生徒で携帯をしょっちゅう触ったり、彼氏彼女がいたりする子はいませんでした。逆にその反対の生徒はほぼ成績は上がりません。もしかすると私がその子が他で携帯を触っていたり、彼氏彼女がいたりすることを知らなかったのかもしれません。それならそれで良いと思います。私にはわからない程度ということなのでほどほどにしていることがわかります。まさに息抜き程度になっているのではないでしょうか?
私は比較的感受性がある方だと思っています。というかこの仕事を通じて鍛えられたというか、そうでないと責任者は務まりません。それは他の塾の責任者も同じだと思います。子供の変化に対して敏感でないと務まりません。それはまだまだ高めていく必要がありますが、私に気づかれるようではダメだということです。
勉強に関して頭の良し悪しはあります。俗に言われている「頭の良い子」というのはもともとめちゃくちゃ覚えが良くて1度見たら大体覚えてしまう子がいます。ただし公立中学校では同学年に1人いるかいないかだと思います。おそらくいないと思います(笑)。
私立中学校ではその中学校のレベルにもよりますが大阪星光学院には何名かいると思います。灘には10人以上いるかもしれませんw
東大や京大を目指す際にはその子たちとも争う必要があるかもしれません。ただし医学部や法学部がその対象です。東大医学部はとんでもなく頭の良い子たちが受験してくるので、もともとの能力が必要です。天才というやつですね。
勉強以外でそれを発揮する子もいます。例えば歌手・サッカー選手・アイドルとしての資質・漫画家など勉強とは関係ないところに才能が有り、さらに努力を積んで世界的な人物となる人もいます。
しかし「頭の良い子」のほとんどは努力してその位置にいます。頭の良い子の99%は努力しているのです。秀才というやつです。
ここで考えてみますが、学区ナンバー1の高校に天才はいるのか?ということです。大阪を代表する高校である北〇高校を想像してみます。2人くらいいるかもしれません。天〇寺高校はどうか?1人いるのかも?では学区2番手の高校はどうでしょう?私の予想では1人もいないと思います。
しかし学区2番手といえども中学時代は学年でまあまあ上位の順位で卒業していると思います。おそらくその子たちは天才ではないので努力しないとそんな高校には行けなかったと思います。
先ほど小学校で教育が決まると言いましたが、それは少し大げさなのです。小学校の時にものすごく勉強ができた子も中学校で勉強しなくなったら終わりで、中学校まですごく勉強ができた子も高校でしなくなれば終わりです。いわば勉強は止めた瞬間から下降していくものと思っています。秀才は努力をし続けている。努力を怠れば、その期間が長ければ長いほどその分の取り返しは厳しくなります。
「高校受験は中3だけ頑張れば大丈夫」という話をよく耳にしますが、それは低いレベルでの話です。中3だけ頑張って学区ナンバー1の高校に行こうというのは無理な話です。偏差値が35から60に上がれば25も上がっているのですごく成績が伸びたということになりますが、それではナンバー1には合格できません。まあ上記の飛躍的アップも非常に特殊な例なのでこんな子は何年かに1人出るか出ないかの話でしょうし・・・。ビリギャルですか?自分もそうだとは思ってもらっては困る、非常に迷惑な例ですw
何が言いたいかというと努力は継続させ続けないといけないということです。昔どこかの塾が「継続は力なり」というキャッチコピーで運営していましたが正に重要です。小学生から高校生までコンスタントに努力し続けてきた子はそれなりの大学に進学し、社会に出ても優秀な人材として活躍するでしょう。しかしある一時期だけ頑張った子やそれすらも継続できない子は、そういう社会人となっていくのでしょう。
そう考えると、中3の1年すら頑張れない子はどうなのでしょう?ではいつ努力するのでしょうか。私はそれを毎年思います。この子は今こんな感じで将来どのタイミングに努力するのかをこの先の人生も見たいと変な興味を持ってしまいます(笑)。
また「頭の良い=集中力」だとも思っています。集中力がない子は成績も伸びません。成績を上げたいなら集中力を鍛えないといけません。さらには集中力を妨げられる環境を回避する必要もあります。
例えば、音楽を聴きながら勉強している子がいます。私はこれについての良し悪しはわかりません。ちなみに私は音楽やラジオを聴きながら勉強していました。受験生の時は3時ごろまで勉強していたのでオールナイトニッポンとかよく聞いていました。しかしラジオ番組の内容はあまり覚えていません。結構夜の1時~3時なんて時間はすごく静かなので一番集中して勉強していた時間帯なので…。結局、内容を覚えていないくらい集中してやっているので、集中してやっていたことを自分でも確認できていたこともあり、音楽を聴きながら勉強していた事は私にとっては悪い事ではなかったと今でも思っています。
「私にとっては」です。
しかし、集中力のない子がそれをするのはどうなのでしょうか?興味のあるものにすぐに引っ張られるのに、その環境は良いものとは到底思えないです。例えば私は家族がテレビを観ているリビングでも勉強できたと思います。極論、パチンコ屋やカラオケルームでもできます。それができる子は良いと思いますが。
ただしイヤホンで聴いているのは少し疑問です。ちょっとダイレクトに入って来過ぎるような気がします。耳栓代わりのイヤホンは別として、音楽を聴くイヤホンはどうかな?と思います。洋楽なら譲れますが。。。
だから成績が良い子が音楽を聴きながら勉強しているのはわかりますが、成績のあまり良くない子がそれをしていると集中して勉強できていない気がします。
あとは外的影響として先ほど述べたテレビ・マンガ・携帯電話などは前述しているように集中することに対しては非常に悪影響です。「ちょっと休憩で」という感じでメリハリを付けられる子でかつ、ダラダラ長時間行わなければ大丈夫ですが、成績の悪い子はそれがコントロールできていないはずです。ならいっそうやらない方が良いと思います。
以上の2点を考えると頭の良し悪しは天才を除く他のすべての生徒にとって『努力の継続』と『集中力』の積み重ねなのです。
以上を意識すれば必ず成績は上がる!
次回、また何か書かせてもらいます
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